最後まで全て騙されて読んでいた・・・
猟奇連続殺人鬼が自分の模倣犯を追う
ちょっとホラーで叙述トリックを使った
ミステリーサスペンス。
最終ページで話しかけたハサミ男の一言にゾクゾクが止まらない!
また、こんな本に出合いたいな!
本と作家の情報etc・・
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作家 ・ 殊能 将之
(2013年死去・享年49歳)
福井県出身。
福井県立藤島高等学校卒業。
ハサミ男は彼のデビュー作でもあり1999年
にハサミ男がメフィスト賞を受賞しました。
高校時代から『SFマガジン』の石原藤夫の
コラム等に登場し「福井の天才」と呼ばれる。
公式サイトの日記において、
SFとミステリ(特に本格ミステリ)
の熱烈なマニアだとわかる。
独特のセンスと問題意識からくる創作法を
持っており、博識とサーカズムを織り交ぜつつ
ミステリの定石を組み替えるスタイルを
得意とする。
『引用:Wikipedia』
本が発売されて3年後の2005年に
「ハサミ男」が映画化されましました。
キャストは豊川悦司・麻木久仁子・阿部寛ほか・・・
結構、豪華なキャスティグだと思います。
しかし、映画の方は僕自身、見てません。
結末、内容を本で知ってるだけに
すすんで見ようというきになれなかったので
未だレンタルせずスルーです。
ハサミ男をどう映像化したのか気になる
所でもありますが何かのきっかけでも
あれば見ようかなぁ・・・
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ぐらいの気持ちです・・・
ハサミ男 | |||
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総合評価 |
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レビュー件数 | 250件 |
ハサミ男~あらすじ
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舞台は2003年東京。
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同じ手口で2人の女子高生が殺される。
被害者である2人の女子高生の死体には
喉に深く突きたてられた
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「ハサミ」。
その犯行手口からマスコミは犯人を
「ハサミ男」」と名づけた。
シリアル=キラー・「ハサミ男」は
目星をつけた3人目を殺そうと行動した時、
他の誰かに3人目を先に殺されてしまった。
その殺害の手口は自分と全く同じで
死体には喉にハサミが突き立て
られていた・・・
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混乱する「ハサミ男」・・
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一体どこの誰が・・・
そして何故、自分が選んだ3人目を殺したのか。
その犯行は偶然だったたのか・・・・
それとも・・・・
そいつは自分の正体を知っているのではと
こんな疑問をいだきつつ・・・・
そして、自分の犯行ではないのに
マスコミ・警察・世間はこの事件を
「ハサミ男」の第三の犯行と決めつけ
騒ぎ立てる。
獲物を横取りされ罪を着せられ
納得いかないハサミ男は真犯人を探すべく
調査を開始するのだった。
自殺願望と殺人願望を持ち合わせた
イカれた猟奇連続殺人鬼「ハサミ男」が
真犯人を捕まえるべく自分を模倣した
殺人犯を追うのだった。
ハサミ男~感想
殺人鬼が主人公で殺人鬼(主人公)が
殺人犯(真犯人)を追うという、
ちょっと変わったストーリーですが
読み応えとスリルはあります。
斜述ミステリーで上手く読み手を
騙してますし、最後での完全にやられた
感は半端なかったです。
文章で想像させて、読み手の思い込みを
上手く利用したこの小説は
素晴らしいと思いました。
肝心のストーリーは序盤、中盤と
順調よく面白く進み警察もついに
「ハサミ男」が誰か目星をつけ逮捕かと
思いきや・・・・
ハサミ男の正体にいきついたのは
「はぁぁっ!お前かいっ!」と
意外な人物でした
ありゃりゃ、びっくり!!
まさにこんな感じでした。
そして、ハサミ男の心の中に存在する
別の人格「医師」はハサミ男の唯一の
相談相手。
彼はハサミ男の傍観者でもあり
アドバイザーでもあり
彼とハサミ男の対話は実に興味深く、
ハサミ男は彼を嫌うが
そのやり取りは実に愉快だった。
叙述を取り入れ殺人鬼が自分を模倣した
殺人犯を捜査する設定は面白く、
別人格の医師がチクリチクリとハサミ男を
追い詰めハサミ男を苦悩させ楽しんで
いるさま、主人公を猟奇殺人鬼とし
彼の隠逸な生活とトリッキーさを
兼ね添えた面白い小説でした。
残念なのが最後の種明かし3人目の
犯行の犯人の動機等で少しグダグダな
感じが盛り上げていた物語をガクッと
下げてしまった所です・・・・
ですが、ラストのハサミ男の一言は
ゾクッする夏向けの良い
終わり方だった。