シュールな展開とおとぼけ主人公で
クスリと笑ってしまう物語。
タイトル のハードボイル ド エッグ
この名前が物語にどう関係するのかにも
注目!!
本と作家の情報etc・・
作家 萩原 浩
1956年 生まれ 埼玉出身
元フリーのコピーライター
39歳の時小説を書き始め1997年
「オロロ畑でつかまえて」が 第10回小説すばる新人賞を
受賞しデビュー。
多数の作品が映画、ドラマ化されている 。
2006年「明日の記憶」が監督・堤 幸彦
主演・渡辺謙で初の映画化 。
原作『愛しの座敷わらし』が
2012年 主演・水谷豊 「HOME愛しの座敷わらし」で映画化されました。
2016年12月、原作「なかよし小鳩組」でドラマ化された。
ドラマ
「ダメ父ちゃん、ヒーローになる!崖っぷち!
人情広告マン奮闘記 」が放送されました。
『引用:Wikipedia』
タイトル
「ハードボイルド・エッグ」
2002年 10月 発売
ページ数 396p
ハードボイルド・エッグ | |||
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総合評価 |
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レビュー件数 | 9件 |
「ハードボイルド・エッグ」~あらすじ
30を目前にサラリーマンを辞めて、かねてからの
夢だった探偵へと職を変えた主人公・最上。
最上探偵事務所は設立して3年・・・・
中学の時読んだ探偵小説の
主人公・フィリップ・マーロウのような
ハードボイルドな世界を夢見、憧れた探偵業は
8割が逃げたペットの捜索、残り2割は浮気・不倫・調査 だった。
そしてこの3年彼が受けた
ハードな洗礼は道路交通法違反、住居不法侵入、
無実の下着泥棒で逮捕、この他にもペット捜索で
公園をうろつていたら不審人物として通報され
さらには 数えきれないほどの職務質問を受け
ついには警察のブラックリストに載る要注意人物となっていた・・・・
フィリップ・マーロウのような探偵の世界とは
ほど遠い探偵像だった・・・・
そしてハードボイルとは無縁の
日々、逃げたペット捜索に明け暮れる最上であった。
今日もペット探しの依頼が1件
ペットのハスキー犬「チビ」の捜索だった。
秘書の片桐綾と浮浪者ゲンさんの
協力を得てチビをなんとか捕獲。
しかし、依頼主は夜逃げして行方不明。
仕方なく数少ない友人の一人紫原夫妻が経営する
個人ペット保護園にチビを預ける形となった。
しかし、チビは保護園を脱走さらには
そのあくる日 翔子の父が保護園近くの
持山の散歩中野犬に襲われ噛み殺された。
その野犬を捕獲しようと警察が動き出した。
もし逃げ出したチビが捕まれば・・・
チビがそんなことをするはずがないと確信していた
最上、紫原夫妻はチビが警察に捕まる前に
チビを保護しようと最上達はチビを探すが・・・・
はたして翔子の父を嚙み殺した野犬は・・・
さらに紫原夫妻が経営する保護園の
土地売買を巡るトラブルで浮上する中塚組・・・・
この事件には多くの裏があると
確信した最上は秘書の片桐 綾と浮浪者ゲンさん
紫原夫妻と共に中塚組を探るのだった・・・が
真相は全く意外な所にあったのだった。
「ハードボイルド・エッグ」~感想
序盤から表紙からは想像のつかないハードボイルな展開をみせ
あれ・・これは結構シリアスな物語かなと
思いきや・・・出だしの事件途中で
「〇コかよっ!!」と突っ込んでしまう程
よくできた始まりでした。
ハッキリ言って面白かったです。
ミステリーとしての
面白さよりも探偵最上の行動、言動、心の声が
所どころでくすり、ニヤリとさせられ
読む側も飽きない楽しさがありました 。
どことなく森見登美彦が
描く小説や漫画家高橋留美子が描く漫画のような
おとぼけな雰囲気があります。
終盤は少し沈むような話になりますが
前半中盤の楽しさがあった分いい感じに終わりました。
常に3枚目でめげないストックさが
ある最上探偵、彼の人間性には元気と笑いを
貰えます。