デスノート的な独自の犯罪論理と心理戦が見もの。読み進めば進むほど感慨深く面白くなる。「罪と罰 (上巻)」ドストエフスキー

タイトルを見ると中々重い感じですが、
サスペンス的な話で後半につれて面白く
なってくる感じです。

 

主人公と刑事の心理戦や
初めて人殺しをしてしまった人間の
良心の呵責と苦悩がどう傾くのか
そんな所が見どころだと思います。

 

ルゥーの一言感想
とにかく読んどけって1冊。
犯した罪はどこで許される、救済されるのかを
扱ったテーマが深く独自の犯罪論理は
デスノート夜神月(ライト)と酷似していて
面白かった。
ルゥー

本と作家の情報etc・・

作者 フェードル・ドストエフスキー

 

    1821年生まれ

1881年 満59歳 死没

 

モスクワの貧民救済病院の
医師の次男として生まれる。

 

著作は、当時広まっていた理性万能主義
(社会主義)思想に影響を受けた
知識階級(インテリ)の暴力的な革命を否定し、
キリスト教、ことに正教に基づく魂の救済を
訴えているとされる。

 

実存主義の先駆者と評されることもある。

 

反ユダヤ主義者としても知られる。

 

1846年、処女作『貧しき人々』を
批評家のヴィッサリオン・ベリンスキーに
「第二のゴーゴリ」と激賞され、
華々しく作家デビューを果たす。

 

19世紀後半のロシア小説を代表する文豪である。

 

『引用:Wikipedia

一般に

  • 『罪と罰』、
  • 白痴』、
  • 悪霊』、
  • 未成年』、
  • カラマーゾフの兄弟』が、
  • ドストエフスキーの5大作品と呼ばれる。



    タイトル 「罪と罰」

  • 1989年 改正版 発売
  • ページ数 488ページ
  •  

    翻訳 工藤精一郎 

      1922年生まれ
      2008年 死没

    福島県生まれ。
    数多くのロシア文学・ロシア語文献を翻訳した。

     

    罪と罰(上巻)
    総合評価
    レビュー件数 102件


     

    罪と罰(上巻)~あらすじ

     

    頭脳明晰ではあるが貧しい元大学生の主人公。

     

    生まれた環境のせいもあり
    借金を返せない彼が
    下賤な老婆の金貸しを殺すことを決意する。

     

    綿密な計画を立てての
    完全犯罪をやり遂げたはずの主人公・・・・

     

    しかし、家族や友人との日々の生活の中で
    常に何かに脅え後ろめたさを感じ
    自己嫌悪に陥り遂に精神的にまいり
    寝込んでしまう。

     

    良心の呵責に苛まれながら己の犯行を
    正当化するも頭の中には自首がよぎる。

     

    そんな中、自分の犯した事件が迷宮入りし
    ていることを知った。

     

    このまま逃げ切る事が出来るかもと
    思った主人公の前に
    一人の刑事が現れる・・・・




    罪と罰~感想

     

    ロシア語をを直訳してあるためか
    日本語が少々おかしく読みにくさがあり
    ました。

    ルゥー
    罪と罰の翻訳は亀山郁夫先生の訳が
    わかりやすいと評判です。

     

    あと、登場人物の名前がややこしすぎる。

     

      ミドルネームで呼ぶと誰が誰だかわからなくなる
      のも読むうえで難点。

    登場人物をしっかり覚えておかないと

      後半で誰?

    となったりするので
    ちょっとややこしい本でもありました。

     

      しかし、内容は面白い。

    刑事と主人公の心理戦の駆け引き。

     

    主人公の己の心の内での善と悪の葛藤の
    心理戦。

     

    普通の青年が人を殺して
    その重圧に耐えれなくなっていく様は
    気が狂う一歩手前で普段の生活の中での
    ちょっとした親切心にも人殺しの自分自身に
    対しての自己嫌悪を感じ自分自身を罵倒する。

     

    そんな彼に対して、この先どうなるかと
    まだ上巻でこの状態なら
    このまま自首するのかなどと考えてました。

     

    しかし、上巻後半の方で雲行きが変わって
    きました。

     

    迷宮入りし始めた彼の起こした事件、
    そして人殺しからの良心の呵責を乗り越えた
    主人公。

     

    そんな中主人公に疑問を持っていた一人の刑事との
    やり取りこのやり取りや流れが漫画デスノート的で
    本格的に物語が動き出し面白くなってきました。

     

    主人公を八神月、刑事をエルと置き換えての
    二人の駆け引きを想像し、

      主人公がかつて大学で提出した論文、

    犯罪者の心理状態を題材にした考察文を引き合いに

      事件での関与に対しての誘導や主人公の犯罪に

    対しての思考を探る刑事、

    これに対して主人公のその手には乗らないぞと
    上手く言葉巧みにかわし心の中での薄ら笑い。

     

    ルゥー
    この心理戦の結末はいかに!!




    なによりこの主人公の成長ぶりがすごい
    婆さんを殺した序盤の頃など
    精神的にまいってしまい

      良心の呵責に苦悩しフラフラの状態の人間が、
      後半にかけての独自の犯罪論理を定義し、
      人殺しとゆう重圧を

    乗り越えてしまう。

     

    ルゥー
    その乗り越え方もちょっとデスノートでの
    八神月のようでぞくぞくしました。

    もはやこのまま逃げ切ろうとする彼なのだが
    最後の最後で主人公が起こした事件について
    知っていそうな一人の男が現れて・・・・

     

    ここで上巻は終わるのですが
    実に面白い流れになってきたなと上巻読後に
    思いました。

     

    漫画デスノートの序盤によく似ていますし
    八神月の思想が主人公の考えと酷似してるのも
    面白い所です。

     

    序盤の苦悩に始まりそれを乗り越え
    刑事の尋問に打ち勝ち逃げ切った主人公。

     

    そんな矢先に現れた
    一人の男・・・・

     

    さて、この先中々楽しみになる下巻です。



    ルゥー
    ドストエフスキーの罪と罰は漫画版もあります。
    漫F画太郎先生や手塚 治虫先生が
    描いているものもあるので
    活字はちょっとパスとしたい方は漫画の方から
    入ってみてはどうですか?

    漫F画太郎 2012/10/9発売

    ロシアの文豪
    ドストエフスキーの代表作「罪と罰」を題材としながら、
    日本ギャグ漫画界の鬼才・漫F画太郎が
    独自の世界観と価値観を再構築したもので、
    文学と漫画の新たな融合を目指す、究極の挑戦作である。

    手塚 治虫1995/3/

    ルゥー
    ちなみに2014年に神馬文男先生が翻訳された罪と罰が
    今のところ一番新しいです。
     

     

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