180日間だけ超天才へと変貌した青年のSF冒険小説!
幾度となく映画、ドラマ化された
人間味あふれるストーリーです。
人生が180度変わってしまった故に訪れた
恐怖と悲しみの感動小説。
本と作家の情報etc・・
作家・ダニエル・キイス
1927年生まれ
2014年 死去
ニューヨーク州ブルックリン区生まれ
17歳のとき U.S. Maritime Service に就職し船員となった。
ブルックリンカレッジで
心理学の学士号を取得し、一時期ファッション写真のスタジオで働き、
その後
ニューヨークの高校で国語教師を務めつつ、
定時制で英米文学を学び、週末には小説を書いていた。
ヒューゴー賞を受賞した中編と
それを長編化してネビュラ賞を受賞した『アルジャーノンに花束を』で知られている。
オハイオ大学名誉教授。
『引用:Wikipedia』
翻訳・尾野芙佐(おぶ ふさ)
タイトル ・ 「アルジャーノンに花束を」
日本での出版は早川書房からなされており、翻訳権独占であった。
なお、
ハヤカワ文庫版の発売まで10年以上の期間があった。
中編小説版は稲葉由紀(稲葉明雄)訳で『S-Fマガジン』1961年2月号に掲載、
『世界SF全集』32巻に収録された。
長編小説版は
1978年に小尾芙佐訳で出版、1989年に改訂された。
2015年3月13日にハヤカワ文庫から新装版が出版された。
原作を題材に映画化も何度かされ、
2002年には
主演ユースケサンタマリアさんでテレビドラマ化もされ
2015年4月10日にも
主演・山下智久さんでまたもテレビドラマ化されました。2015年ドラマ版の方の主題歌も話題になったかと思います。
ヘッド・ミラーの「ローズ」ですね、聞けば、どっかで聞いたかなとなる曲ですね。
『引用:Wikipedia』
ページ数 319p
アルジャーノンに花束を・・・ |
|
||
---|---|---|---|
総合評価 |
|
レビュー件数 | 327件 |
アルジャーノンに花束を・・・~あらすじ
主人公・チャーリー・ゴードンは32歳。
だが知能は6歳児なみの知的障害者
叔父の営むパン屋で働きながら知的障害者専用の
学習クラスに通う日々だった。
ある日、
開発されたばかりの脳手術を受けてみないかと
大学教授に勧められる。
ある理由により
頭が良くなりたいと以前から強く願っていた
彼はこの手術を受ける決意をし臨床試験の
被験者第1号と選ばれ手術を受けて日に日に超天才へと
変貌していく・・・
しかし、知能は高くなる一方で
精神はそのままの為、知りたくもない事実や
自分がいままでどう見られていたのかを
理解し初めて、心のバランスを崩し苦悩する日々になる。
そして、副作用により高くなった頭脳はだんだんと
下降し始めまた、元の自分に戻る事に
恐怖を感じ何とかしようと試みるが
手術に大きな欠陥がある事に気づき諦めの中、
自暴自棄になっていく。
手術を受けた日から約6ヶ月間
わずかな期間で人間と世間、社会の複雑さを知り
そして孤独を知り、天才である優越感を感じ、
過去の自分を客観的に理解し落胆し
そして、また元の自分に戻っていく
そんな彼のSF冒険ストーリー。
アルジャーノンに花束を・・・~感想
主人公の知能が高くなるにつれて文章スタイルも変化していく
一風変わったこの小説。
そういった表現の仕方が
主人公の目線がわかる感じで良かった。
ストーリー的には一本道ですが
知的障害の主人公が超がつく天才へと生まれ変わり
人間関係や組織社会の複雑さを知っていく様子が
よくわかる物語でした。
頭が良くなれば幸せになれると
信じた彼の思いはことごとく崩される日々。
単純に考えていた彼の世界が徐々に崩壊し苦悩する。
この辺のくだりはやはり胸打たれほど
悲しくなりましたが・・
手術を受けて頭が良くなっても精神的にはまだ6歳児・・・
大人の様なズル賢さもなく要領よく人間と
社会に溶け込めない、この辺の歯がゆさを
上手く描いてあり自分自身と重ねてしまう部分もありました。
孤立し、絶望し、苦悩する主人公・ゴードンですが、
そんな中でも二人の女性と付き合い恋人ができ幸せを
見つける彼ですが最終的にやはり幼い精神の壁が邪魔するわけで
色々と上手くいかない・・・
彼が描いた世界、彼が求めた幸せ
何もかもが滑り落ちる中、賢くなったからと言って
幸せになれる訳じゃないと気づき始め、
複雑なこの人間社会で傷つきながらも厳しい現実を冒険し
精神的にも成長していく主人公・・・
これからというときに下降し始める頭脳、
悲劇的な感じでしたが彼の最後の文章を読む限りでは
知能はまた元に戻ったが彼は彼なりに自分の立ち位置を見つけ
何か大きな成長を遂げたようなきがします・・・