少女4人のドタバタ、痛快ミステリー 「ルー=ガルー1 忌避すべき狼」

これまで
京極夏先生の 描く小説は嗤う伊右衛門、
京極シリーズ(または百鬼夜行シリーズ)と
読んできた中の年代ものと違い、
近未来を舞台にしたミステリー小説でした。

 

今まで読んできた京極作品の中で
かなり読みやすい文章です。

 

外堀埋めの回りくどさは相変わらずですが
文体が現代的とゆうか
今時な言葉使いなので
今まで読んできた京極作品とは
また違った雰囲気の物語でしたね。



ルゥーの一言感想
レンガ本だけど・・・
性格も全く異なる未成年の少女たち4人が繰り広げるドタバタ劇が面白い!!
ルゥー

本と作家の情報etc・・

 

作家 京極 夏彦

 

    お化け大好き、怪談大好きのおもしろいおじさんです。

 

 

1963年 3月26日生まれ

 

気まぐれで書いた小説がデビュー作に
余りの出来の良さに編集者もプロの書いた
悪戯と思い込み返事をもらった京極も
悪戯と思った。

 

デビューは31歳 多才な才能を持ち
気まぐれで小説家になった方です。

 

    デビュー作 「姑獲鳥の夏」

 

百鬼夜行シリーズ第1弾にあたり
これ以降1000ページを超える小説から
レンガ本など と評される。

 

『引用:Wikipedia』

 

京極 夏彦氏の分厚い小説本を前に

    躊躇する方もいるかもしれませんが、
    現在は京極 夏彦作品の多くは漫画化や

映画化もされていて作品のとっつきにくさは
初期にくらべて軽減されたかと個人的にそう思います。




 

タイトル・「ルー=ガルー」

 

当初「女子高生SF小説」として構想が語られていた作品。

 

2010年夏、劇場アニメ公開。

 

『引用:Wikipedia』

 

  • 単行本判   2001年6月発売
  • 新書版    2004年11月発売
  • ノベルス版 2009年10月発売
  • 分冊文庫版  2011年9月発売
  •  

    ページ数 約750ページ(単行本判)

     

     

    Amazon 楽天ブックス「レビュー・総合評価」

    Amazon・楽天ブックス「レビュー・総合評価」
    Amazonレビュー件数 6件
    総合評価
    楽天レビュー件数 2件
    総合評価




    ルー=ガルー1 忌避すべき狼~あらすじ~

     

    舞台は近未来、個人・自宅・街全体を
    ネットや端末(タブレットやスマホかな?)で
    管理、監視され(一部を除き)
    完璧なセキュリティーの元
    安全な生活を送れる世界・・・

     

     

    外の世界とはシャットダウンされ
    すべてを自宅のネットでまかなえてしまえる
    ネット世界だった。

     

    飛び交うネットの情報だけが真実であり
    全てを管理され外出するにも許可がいる為
    外で起こる本当の真実はわからない
    それが当たり前の日常。

     


     

     

    そんな完璧と思われた世界に
    疑問を持たない人々。

     

    管理される事で安全だと思い込み危機感が
    マヒした世界。

     

    しかし、
    管理、監視され完璧と思われたこの街で
    犯人の捕まらない
    謎の連続殺人事件が起こる。

     

     

    そして一人の少女が
    この連続殺人事件に関わり
    ネットの世界を飛び出しリアルの世界で
    出会った少女達と事件解決に乗り出すのだった。

     

    あれよこれよと1人 2人 と
    少女たちを巻き込ませての日常から非日常とへと
    ドタバタ喜劇を展開。

     

    そして 並行して事件に疑問を持ち始めた
    刑事と未成年カウンセラー大人コンビが
    事件について調べ出すのだが・・・

     

     

    未成年、少女たちの4人の思考と決意が団結した時
    完璧と思われた世界の真実と
    大人のご都合主義と
    矛盾な理論でなりたった世界での
    連続殺人の全貌が見え始めるのだった。




    ルー=ガルー1 忌避すべき狼~感想~

     

    登場人物それぞれの癖や個性、役割が
    分かりやすい感じで彼女たちの考えや行動は
    時に同意し時に正反対と右往左往しながら
    最後はよくわからず勢いで一致団結する
    爽快感があり面白く読めました。

     

     

    一応、主人公は葉月なんですが
    都築美緒が結構、無茶苦茶で
    主人公を押しのけて彼女が物語全体を
    引っ張る感じでしたね。

     

    終盤でこの女は自作のプラズマ砲を
    敵陣でぶっぱなし暴れまわり
    やりたい放題でした・・・

     

              
    「ルー=ガルー2」では
    さらにそれがパワーアップしてます。

     

    彼女のそんなところがこの物語、
    この本の面白い所であり読ませる魅力でしょう。

     

    そして、常識人の引っ込み思案の葉月が 
    この事件をきっかけに知り合った3人の
    少女たちにより端末の世界でしか
    知らなかった現実世界は怖いモノで
    ありながらも興味をそそるが躊躇する。

     

    そんな彼女が自分の殻をやぶる瞬間
    終盤でみせる誰かの為に自分が前に出る

      「こんっチキショーっ!!」の

    やけくそで感情むき出しは中々
    良かったかと思います。

     

     

    世界観や設定など所々釈然としない
    部分はありますがほぼ都築美緒の勢いと
    強引な引っ張り方でそんな事はかき消され
    どうでもよくなります。

     

    とにかく無茶苦茶な
    彼女の次の考え、行動が見たいので
    細かい設定に気をとられません。

     

    物語の焦点は少女たちの目線と
    大人コンビの目線で
    連続殺人の謎を追う形で物語が進み、
    少女たち未成年と大人の価値観が
    対峙した時、ご都合主義の矛盾だらけの
    大人社会が垣間見えるストーリーで
    中々面白い物語でした。



    ちなみに

      短編集の「百鬼夜行ー陰」で
      収録されている「鬼一口」で、

    ある登場人物の過去が
    描かれた物語があります。

     

    今回の「ルーガルー」で
    彼のなれの果ての姿が見れます。

     

    「ルーガルー」もし、読まれたら

      「鬼一口」も良かったら

    読んでみるのもいいかもしれません。




    後、読んでみて京極シリーズの
    登場人物達と被るキャラクター達だったかなと
    個人的に感じはしましたね。

     

     

  • 主人公「葉月」
  • 気が弱く流される感じが関口巽ぽい。

     

  • 美緒
  • 自称天才ハッカーやる事なす事
    思考回路が 無茶苦茶、
    まさに
    女版・榎木津礼二郎

     

  • 麗猫(レイミヤオ)
  • 拳法使いの武闘派1匹オオカミで
    怖い感じだが筋さえ通せば
    納得するし自分の非も認めるそんな所が
    木場修太郎のようでした。

     

  • 歩未
  • 頭の回転が速く、口で相手を
    黙らせる知的で
    クールな感じがまさに
    中禅寺明彦にそっくり。

     

  • 刑事 橡(くぬぎ)
  • 口が達者で喧嘩の弱い刑事
    何より結構アホっぽい行動が
    益田龍一に似てる。

     

  • カウンセラー 不破静江
  • 真面目で察しもよく
    誰に対してもハッキリものを言う
    中禅寺敦子を彷彿させるキャラでした。

     

    とそんな事も思いつつ楽しんで読んでました。

     

    分厚く読むのを躊躇しがちな本ですが
    楽しませてくれるキャラクターが多いのも
    この本の魅力です。

     

     

     

     

     

    ルゥー
    チャンネル名RokaでYouTubeに
    描いてみたの動画を
    あげています。
    良かったら見に来てください。
      

     

     

    スポンサーリンク
    おすすめの記事