![少女4人のドタバタ、痛快ミステリー 「ルー=ガルー1 忌避すべき狼」](https://kyoukara-nani-yomu.com/wp-content/uploads/2018/09/2019-02-09.png)
これまで
京極夏先生の 描く小説は嗤う伊右衛門、
京極シリーズ(または百鬼夜行シリーズ)と
読んできた中の年代ものと違い、
近未来を舞台にしたミステリー小説でした。
今まで読んできた京極作品の中で
かなり読みやすい文章です。
外堀埋めの回りくどさは相変わらずですが
文体が現代的とゆうか
今時な言葉使いなので
今まで読んできた京極作品とは
また違った雰囲気の物語でしたね。
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本と作家の情報etc・・
作家 京極 夏彦
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お化け大好き、怪談大好きのおもしろいおじさんです。
1963年 3月26日生まれ
気まぐれで書いた小説がデビュー作に
余りの出来の良さに編集者もプロの書いた
悪戯と思い込み返事をもらった京極も
悪戯と思った。
デビューは31歳 多才な才能を持ち
気まぐれで小説家になった方です。
デビュー作 「姑獲鳥の夏」
百鬼夜行シリーズ第1弾にあたり
これ以降1000ページを超える小説から
レンガ本など と評される。
京極 夏彦氏の分厚い小説本を前に
-
躊躇する方もいるかもしれませんが、
-
現在は京極 夏彦作品の多くは漫画化や
映画化もされていて作品のとっつきにくさは
初期にくらべて軽減されたかと個人的にそう思います。
タイトル・「ルー=ガルー」
当初「女子高生SF小説」として構想が語られていた作品。
2010年夏、劇場アニメ公開。
ページ数 約750ページ(単行本判)
Amazon 楽天ブックス「レビュー・総合評価」
Amazon・楽天ブックス「レビュー・総合評価」 | ||
Amazonレビュー件数 | 6件 | |
総合評価 | <
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楽天レビュー件数 | 2件 | |
総合評価 |
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ルー=ガルー1 忌避すべき狼~あらすじ~
舞台は近未来、個人・自宅・街全体を
ネットや端末(タブレットやスマホかな?)で
管理、監視され(一部を除き)
完璧なセキュリティーの元
安全な生活を送れる世界・・・
外の世界とはシャットダウンされ
すべてを自宅のネットでまかなえてしまえる
ネット世界だった。
飛び交うネットの情報だけが真実であり
全てを管理され外出するにも許可がいる為
外で起こる本当の真実はわからない
それが当たり前の日常。
そんな完璧と思われた世界に
疑問を持たない人々。
管理される事で安全だと思い込み危機感が
マヒした世界。
しかし、
管理、監視され完璧と思われたこの街で
犯人の捕まらない
謎の連続殺人事件が起こる。
そして一人の少女が
この連続殺人事件に関わり
ネットの世界を飛び出しリアルの世界で
出会った少女達と事件解決に乗り出すのだった。
あれよこれよと1人 2人 と
少女たちを巻き込ませての日常から非日常とへと
ドタバタ喜劇を展開。
そして 並行して事件に疑問を持ち始めた
刑事と未成年カウンセラー大人コンビが
事件について調べ出すのだが・・・
未成年、少女たちの4人の思考と決意が団結した時
完璧と思われた世界の真実と
大人のご都合主義と
矛盾な理論でなりたった世界での
連続殺人の全貌が見え始めるのだった。
ルー=ガルー1 忌避すべき狼~感想~
登場人物それぞれの癖や個性、役割が
分かりやすい感じで彼女たちの考えや行動は
時に同意し時に正反対と右往左往しながら
最後はよくわからず勢いで一致団結する
爽快感があり面白く読めました。
一応、主人公は葉月なんですが
都築美緒が結構、無茶苦茶で
主人公を押しのけて彼女が物語全体を
引っ張る感じでしたね。
終盤でこの女は自作のプラズマ砲を
敵陣でぶっぱなし暴れまわり
やりたい放題でした・・・
「ルー=ガルー2」では
さらにそれがパワーアップしてます。
彼女のそんなところがこの物語、
この本の面白い所であり読ませる魅力でしょう。
そして、常識人の引っ込み思案の葉月が
この事件をきっかけに知り合った3人の
少女たちにより端末の世界でしか
知らなかった現実世界は怖いモノで
ありながらも興味をそそるが躊躇する。
そんな彼女が自分の殻をやぶる瞬間
終盤でみせる誰かの為に自分が前に出る
-
「こんっチキショーっ!!」の
やけくそで感情むき出しは中々
良かったかと思います。
世界観や設定など所々釈然としない
部分はありますがほぼ都築美緒の勢いと
強引な引っ張り方でそんな事はかき消され
どうでもよくなります。
とにかく無茶苦茶な
彼女の次の考え、行動が見たいので
細かい設定に気をとられません。
物語の焦点は少女たちの目線と
大人コンビの目線で
連続殺人の謎を追う形で物語が進み、
少女たち未成年と大人の価値観が
対峙した時、ご都合主義の矛盾だらけの
大人社会が垣間見えるストーリーで
中々面白い物語でした。
ちなみに
-
短編集の「百鬼夜行ー陰」で
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収録されている「鬼一口」で、
ある登場人物の過去が
描かれた物語があります。
今回の「ルーガルー」で
彼のなれの果ての姿が見れます。
「ルーガルー」もし、読まれたら
-
「鬼一口」も良かったら
読んでみるのもいいかもしれません。
後、読んでみて京極シリーズの
登場人物達と被るキャラクター達だったかなと
個人的に感じはしましたね。
気が弱く流される感じが関口巽ぽい。
自称天才ハッカーやる事なす事
思考回路が 無茶苦茶、
まさに
女版・榎木津礼二郎。
拳法使いの武闘派1匹オオカミで
怖い感じだが筋さえ通せば
納得するし自分の非も認めるそんな所が
木場修太郎のようでした。
頭の回転が速く、口で相手を
黙らせる知的で
クールな感じがまさに
中禅寺明彦にそっくり。
口が達者で喧嘩の弱い刑事
何より結構アホっぽい行動が
益田龍一に似てる。
真面目で察しもよく
誰に対してもハッキリものを言う
中禅寺敦子を彷彿させるキャラでした。
とそんな事も思いつつ楽しんで読んでました。
分厚く読むのを躊躇しがちな本ですが
楽しませてくれるキャラクターが多いのも
この本の魅力です。
![](https://kyoukara-nani-yomu.com/wp-content/uploads/2019/11/img098-e1572776012803.jpg)
描いてみたの動画を
あげています。
良かったら見に来てください。