四谷怪談「お岩さん」をベースに綴られた
切ない恋愛小説・・・・
男女のすれ違いと
思い違い・勘違い・お見込み
痒い所に手がとどかない、
じれったい男女の悲しい物語。
ラストが壮絶すぎるわ・・・
本と作家の情報etc・・
作家 京極 夏彦
若い頃の写真は
GLAYのヴォーカルTERU似のイケメン
おじさんとなった今でもイケメン。
お化け大好き 怪談大好きのおもしろいおじさん。
1963年 3月26日生まれ
気まぐれで書いた小説がデビュー作に
余りの出来の良さに
編集者もプロの書いた悪戯と思い込み
返事をもらった京極も悪戯と思った。
デビューは31歳 多才な才能を持ち
気まぐれで小説家になった方です。
デビュー作 「姑獲鳥の夏」
百鬼夜行シリーズ第1弾にあたり
これ以降
1000ページを超える小説から
レンガ本など と評される。『引用:Wikipedia』
京極 夏彦氏の分厚い小説本を前に
躊躇する方もいるかもしれませんが、
現在は京極 夏彦作品の多くは漫画化や映画化もされていて
作品のとっつきにくさは
軽減されたかと個人的にそう思います。
嗤う伊右衛門 |
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総合評価 |
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レビュー件数 | レビュー件数78件 |
嗤う伊右衛門~あらすじ
伊右衛門と民谷岩が
共通の知人を介して見合いし結婚をするが
お互いの思い違いから
些細な言い合いや
喧嘩が起こり
そこを悪党・伊藤喜兵衛に付け込まれ
二人は離婚する。
姿を消した民谷岩、
一人残された伊右衛門は
喜兵衛に騙され喜兵衛の子を
身ごもった愛人と結婚してしまう。
喜兵衛に
裏でいいように騙され
笑い者にされた岩と伊右門、
二人がそれぞれにその事実を
知った時岩は発狂し伊右衛門を
憎み疾走。
そして伊右衛門はついに刀を抜く・・・
嗤う伊右衛門~感想
生真面目で静かな優男伊右衛門。
正直、何を考えているのかわからない
変な男といった印象でした。
民谷岩と伊右衛門のすれ違いの結婚生活は
何だか歯がゆい感じで
読んでいてイライラしました。
しかし、読むにつれて
伊右衛門の岩に対する思いが
異常過ぎて恐怖すら感じる程です。
普通の人間だと思っていた伊右衛門ですが
彼自身さえ気づいていない
その異常な思考が民谷岩を狂わせ、
旦那と慕っていた友人達さえ
絶句する伊右衛門の
最後の振舞は唖然です。
恋は盲目と言いますが
まさにこれではないかと
民谷岩の首を
抱え箱の中で嗤いを浮かべ
白骨化して発見された伊右衛門は
最後・・・
岩とどんな決着をつけたのか。
静かにゾクリと感じる恋愛ホラー小説でした。