嵌められた男ソクラテス。彼の弁明は理解されるのか?「ソクラテスの弁明」

誰よりも優れた知恵を持ち
その優れた知恵ゆえに若者を惹きつける。

 

彼の教えは若者を堕落させる、その行為は
国家に背く行為である。

 

では彼は何のために何を教え堕落させたのか?

 

この矛盾した罪をどう反論するのか。

 

告発されたソクラテス一人語りによる弁明・演説と
裁判後、獄中生活を送るソクラテスに
脱獄をすすめる老友クリトン2話構成。

 

    ・ソクラテスの弁明・本編は約76p
    それによる解説が約38p
    ・クリトンとソクラテスの脱獄対話が約39p
    この解説文が約39p後は参考資料等による構成です。

 

マンガで読む名作 ソクラテスの弁明

 

ルゥーの一言感想
ロードエルメロイ2世の事件簿 の名言で言うなら・・・
How done it(ハウダニット)、
どのようにしたか、には推測の余地がない
けれど、
Why done it (ホワイダニット)、どうしてやったか、
は例外だ。

私たちが触れられるのは、多種多様な
事実であって、
一つの真実じゃ無い。
ゆえにソクラテスに罪はない。

ルゥー

本と作家の情報etc・・

 

著者・プラトン

 

  • (訳・三嶋輝夫・田中享英)
  • プラトンは、師ソクラテスから問答法(弁証法)と、

      (「無知の知」や「行き詰まり」(アポリア)を経ながら)

    正義・徳・善を理知的かつ執拗に追求していく
    哲学者(愛知者)としての主知主義的な姿勢を学び、

      国家公共に携わる政治家を目指していたが、

    三十人政権やその後の民主派政権の惨状を

      目の当たりにして、現実政治に関わるのを避け、

    ソクラテス死後の30代からは、対話篇を執筆しつつ、

      哲学の追求と政治との統合を模索していくようになる。

     

    『引用:Wikipedia』

     

  • タイトル・ ソクラテス弁明・クリトン
  • ページ数・約236ページ
  • 発売日・1998年2月
  • ソクラテス弁明
    総合評価
    レビュー件数 81件




    ソクラテス弁明・クリトン~あらすじ

     

    時代は紀元前399年前

    場所はアテナイの民衆裁判所で行われた

    「ソクラテスの弁明」。

     

    未来ある若者をたぶらかせ堕落させる存在、

    この誤解と嫉妬から

    始まったソクラテスの罪と裁判。

     

      「ソクラテスは優れた知者」であり。
      「ソクラテスより賢い人物」はいない。

    その知者に憧れた若者達は堕落していると

    これに対する反論、弁明、弁護をする

    ソクラテス。

     

    優れた知者というだけで

    嫉妬され憎まれ無実の罪で裁判にかけられた。

     

    この矛盾した誤解を解くために自らを弁護、弁明する。

     

    そして、裁判後を描いた

    獄中で脱獄し逃亡ようというクリトンとの対話。

     

    これに対してのソクラテスの答えと逃亡に

    対する自己の分析。

     

     

     

    ソクラテス弁明・クリトン~感想

     

    ページ数も少なくストーリーの中心も

    きまっていて

    ソクラテスが自分にかけられた罪に対して

    釈明する実に簡単なストーリーですが、

    かけられた罪がややこしい。

     

     

    若者におかしな入れ知恵をして

    国に背かせ堕落させていると

    無茶苦茶な罪に問われるソクラテスですが

    実に冷静に一つ一つを

      分析、解析、説明を民衆、裁判官、告発者に

    していく。

     

    自分の知恵や教えが邪悪ではないと

    また自分の存在、知者とは何かを

    自分のどこがそんなに優れた者なのか

    の説明をするが説明が遠回しな言い回しと例えで

    理解するのに少し苦労した。

     

    しかし、対話形式の為、実に読みやすい文章でした。

     

      何に対してどうなのか。
      何故ダメなのか。
      どうしてそうなってしまうのか。

    クリトンとの対話も読みやすく

    その問答のやり取りも

    そこまで考えるかソクラテス

    と彼の信念にちょっと唖然でした。

     

    2話とも単純で短い物語ですが、

    その問答のやりとりは濃く面白いものでした。

     



      

     

    こんな本も読んでます。

     

     

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