ホラーではない不気味さがある奇妙な小説。京極夏彦の真骨頂「憑き物落とし」を実感できる1冊・京極夏彦「死ねばいいのに」

個人的に好きな作家さんなので
タイトルにひかれて読んでみました。

 

「死ねばいいのに」なんて突き放したような
タイトルですが序盤の物語は読み手も置いて
けぼりにされます(笑)

 

ルゥーの一言感想
京極夏彦の真骨頂「憑き物落とし」を実感!
主人公のなんとも煮え切らない性格に
イラッとする。
読み進めば進むほどイライラとストレスが
たまる物語だったがラストでため込んだ
憑き物がストンと落ちる。
こんな小説は初めてだっ!
ルゥー

本と作家の情報etc・・

 

作家 京極夏彦

 

1963年 3月26日生まれ

 

京極夏彦 北海道小樽市 出身

 

気まぐれで書いた小説がデビュー作に
余りの出来の良さに
編集者もプロの書いた悪戯と思い込み
返事をもらった京極も悪戯と思った。

 

デビューは31歳 多才な才能を持ち
気まぐれで小説家になった方です。

 

デビュー作 「姑獲鳥の夏
百鬼夜行シリーズ第1弾にあたり
これ以降1000ページを超える小説から
レンガ本など と評される。

 

『引用:Wikipedia




  • タイトル  「死ねばいいのに」
  • ページ数 397p
  • 発売日 2010年 発売
  • 死ねばいいのに
    総合評価
    レビュー件数 92件

    「死ねばいいのに」~あらすじ

     

    一人の女が死んだ名前は鹿島亜佐美。

     

    自宅のアパートで何者かに首を絞められ死亡。

     

    殺人事件として捜査は開始されたが
    被害者の交友関係があまりにも少ないうえ

      物取り 
      性犯罪目的 

    怨恨の線は薄く捜査は 全く進展せず
    犯人不明のまま 捜査は行き詰っていた。

     

    そんな中殺された鹿島亜佐美 について聞いて回る
    男がいた。

     

      名前は渡来健矢。

    鹿島亜佐美との面識は4度。

     

    その4回会った中で彼女とのたわいもない
    会話から出た人物たち。 

     

      会社の上司

     

      同じアパートに住む隣人

     

      彼氏

     

      母親

    の4人に彼女について教えてくれと
    訪ねて回っていた。

     

    しかし、4人の口からでるのは亜佐美との
    希薄な関係ばかりでしまいには自分の身の上話を
    しだし今の自分の立ち場の不幸さを辛さを
    亜佐美を軸に健也に話す始末・・・

     

    彼らの話を聞いて呆れた健也は一言。

      「じゃぁ、死ねばいいのに・・」

    といってその場を去っていくのだった。

     

    鹿島亜佐美について知りたい健也だが聞かされる
    のは愚痴のような身の上話ばかり・・・・

     

    鹿島亜佐美はなぜ、どうして殺されたのか? 

     

     

    鹿島亜佐美との面識が4度しかなく希薄な
    関係なのに渡来健矢が執拗に彼女の事を知ろうとする
    理由とは・・・

     

    そして渡来健矢が会った鹿島亜佐美の関係者4人が
    抱えた心の闇とは・・・?




    「死ねばいいのに」~感想

    ページ数390ページほどで京極夏彦の作品として
    は短い物語になります。

     

    殺された亜佐美について関係者4人に
    聴いて回る青年健也。

     

    ストーリーとしては単純な図式ですが
    この健也が何をしたいのか全く分からず
    こちらは置いてけぼりでした。

     

     

    犯人捜しなのかな?と思いきやどうも違う・・・

     

    4度しか会わなかった亜佐美が気になり
    ただ彼女の人間性を聞きたいだけなのか ?

     

    彼の目的は一体なに?

     

    疑問を持ちながら彼の奇妙な行動に付き合う事に
    なります。

     

    しまいには殺された亜佐美の事件を捜査している
    刑事にも聞きに行く始末でした。

     

    そして4人との回りくどい会話の後に

    相手に向かって「死ねばいいのに・・」の

    キメ台詞・・・

     

    これが言いたい(書きたい)がために
    物語が進行しているじゃないのか思うほどでした。

     

    中盤くらいで健也と関係者たちとの
    やり取りに多少イラつきながら読みました。

    ルゥー
    とにかく「死ねばいいのに」が沢山でてきます。

     

      そして、もしかして~
      なんとな~く

    犯人は・・・○○かな?

     

    と中盤ぐらいで犯人に目星がつき始めます。

     

    「死ねばいいのに」台詞にうんざり感を感じながら
    つまんなく終わる物語かなと思いました。

    ルゥー
    犯人もなんとなくわかっちゃったしね~。

    しかし、それだけじゃ終わらなかった終盤での
    全てをひっくり返す真実と言い回し、まさに言霊!

     

    最後、読み終わった後の憑き物(イライラ)が
    とれるスッキリ感。

     

    これまでの読んでいてうざいやり取りや回り
    くどい会話、4人の自分可哀想アピールからくる
    登場人物達の嫌悪感が取れこの物語の本質に
    ぶちあたり最後まで読んで良かったと思える1冊
    でした。

     

    ルゥー
    読んでいて憑いた、憑き物を落としてくれる
    ちょっと変わった小説でした。
      
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