![ホラーではない不気味さがある奇妙な小説。京極夏彦の真骨頂「憑き物落とし」を実感できる1冊・京極夏彦「死ねばいいのに」](https://kyoukara-nani-yomu.com/wp-content/uploads/2019/12/sad-505857_1920-e1576995069610.jpg)
個人的に好きな作家さんなので
タイトルにひかれて読んでみました。
「死ねばいいのに」なんて突き放したような
タイトルですが序盤の物語は読み手も置いて
けぼりにされます(笑)
![](https://kyoukara-nani-yomu.com/wp-content/uploads/2019/08/img068-e1566737241504.jpg)
イラッとする。
読み進めば進むほどイライラとストレスが
たまる物語だったがラストでため込んだ
憑き物がストンと落ちる。
こんな小説は初めてだっ!
本と作家の情報etc・・
作家 京極夏彦
1963年 3月26日生まれ
京極夏彦 北海道小樽市 出身
気まぐれで書いた小説がデビュー作に
余りの出来の良さに
編集者もプロの書いた悪戯と思い込み
返事をもらった京極も悪戯と思った。
デビューは31歳 多才な才能を持ち
気まぐれで小説家になった方です。
デビュー作 「姑獲鳥の夏」
百鬼夜行シリーズ第1弾にあたり
これ以降1000ページを超える小説から
レンガ本など と評される。
『引用:Wikipedia』
死ねばいいのに | |||
---|---|---|---|
総合評価 |
|
レビュー件数 | 92件 |
「死ねばいいのに」~あらすじ
一人の女が死んだ名前は鹿島亜佐美。
自宅のアパートで何者かに首を絞められ死亡。
殺人事件として捜査は開始されたが
被害者の交友関係があまりにも少ないうえ
-
物取り
-
性犯罪目的
怨恨の線は薄く捜査は 全く進展せず
犯人不明のまま 捜査は行き詰っていた。
そんな中殺された鹿島亜佐美 について聞いて回る
男がいた。
-
名前は渡来健矢。
鹿島亜佐美との面識は4度。
その4回会った中で彼女とのたわいもない
会話から出た人物たち。
-
会社の上司
-
同じアパートに住む隣人
-
彼氏
-
母親
の4人に彼女について教えてくれと
訪ねて回っていた。
しかし、4人の口からでるのは亜佐美との
希薄な関係ばかりでしまいには自分の身の上話を
しだし今の自分の立ち場の不幸さを辛さを
亜佐美を軸に健也に話す始末・・・
彼らの話を聞いて呆れた健也は一言。
-
「じゃぁ、死ねばいいのに・・」
といってその場を去っていくのだった。
鹿島亜佐美について知りたい健也だが聞かされる
のは愚痴のような身の上話ばかり・・・・
鹿島亜佐美はなぜ、どうして殺されたのか?
鹿島亜佐美との面識が4度しかなく希薄な
関係なのに渡来健矢が執拗に彼女の事を知ろうとする
理由とは・・・
そして渡来健矢が会った鹿島亜佐美の関係者4人が
抱えた心の闇とは・・・?
「死ねばいいのに」~感想
ページ数390ページほどで京極夏彦の作品として
は短い物語になります。
殺された亜佐美について関係者4人に
聴いて回る青年健也。
ストーリーとしては単純な図式ですが
この健也が何をしたいのか全く分からず
こちらは置いてけぼりでした。
犯人捜しなのかな?と思いきやどうも違う・・・
4度しか会わなかった亜佐美が気になり
ただ彼女の人間性を聞きたいだけなのか ?
彼の目的は一体なに?
疑問を持ちながら彼の奇妙な行動に付き合う事に
なります。
しまいには殺された亜佐美の事件を捜査している
刑事にも聞きに行く始末でした。
そして4人との回りくどい会話の後に
相手に向かって「死ねばいいのに・・」の
キメ台詞・・・
これが言いたい(書きたい)がために
物語が進行しているじゃないのか思うほどでした。
中盤くらいで健也と関係者たちとの
やり取りに多少イラつきながら読みました。
![](https://kyoukara-nani-yomu.com/wp-content/uploads/2019/11/img099-e1572776020274.jpg)
-
そして、もしかして~
-
なんとな~く
犯人は・・・○○かな?
と中盤ぐらいで犯人に目星がつき始めます。
「死ねばいいのに」台詞にうんざり感を感じながら
つまんなく終わる物語かなと思いました。
![](https://kyoukara-nani-yomu.com/wp-content/uploads/2019/11/img094-e1572775998208.jpg)
しかし、それだけじゃ終わらなかった終盤での
全てをひっくり返す真実と言い回し、まさに言霊!
最後、読み終わった後の憑き物(イライラ)が
とれるスッキリ感。
これまでの読んでいてうざいやり取りや回り
くどい会話、4人の自分可哀想アピールからくる
登場人物達の嫌悪感が取れこの物語の本質に
ぶちあたり最後まで読んで良かったと思える1冊
でした。
![](https://kyoukara-nani-yomu.com/wp-content/uploads/2019/11/img098-e1572776012803.jpg)
ちょっと変わった小説でした。