岡嶋二人と変わった名前どうり2人1組の作家さんです。
ですが二人とも苗字は岡嶋ではない・・・
そして「99パーセントの誘拐」を書いた作家・岡嶋二人が
最後に書いた小説です。
「クラインの壺」を最後に、岡嶋二人はコンビを解消し
お二人ともそれぞれの道に進む形をとりました。
井上泉氏、徳山諄一氏の二人のコンビで執筆する珍しい
作家さんですが「クラインの壺」はほぼ作家、井上泉が
書き上げたそうです。
リアルとヴァーチャルの区別がつかなくなっていく恐怖と
サスペンスの過程が面白かったよ。
本と作家の情報etc・・
-
作家・岡嶋二人
井上泉(いのうえ いずみ)と
徳山諄一(とくやま じゅんいち )
によるコンビのペンネーム。
名前の由来は「おかしな二人」。
代表作は
『そして扉が閉ざされた』 『99%の誘拐』 『クラインの壺』 1982年 『焦茶色のパステル』で
第28回江戸川乱歩賞受賞これがデビュー作になる。
競馬・スポーツの知識は徳山に、
映像・パソコンの知識は井上に拠っているといわれる。
井上は初期のパーソナルコンピュータが
「マイコン」と呼ばれていた時代からの
コンピュータ愛好家であり、親指シフトの
支持者でもある。
誘拐をテーマにした作品は高い評価を受け、
「バラバラの島田」
(死体分断トリックの多い島田荘司)に対比して「人さらいの岡嶋」
「誘拐の岡嶋」と呼ばれることがある。
『引用:Wikipedia』
クラインの壺 | |||
---|---|---|---|
総合評価 |
|
レビュー件数 | 101件 |
クラインの壺~あらすじ
大学生の上杉は自身が考えたゲームブックの原作を
あるゲーム会社に応募した。
-
・・・しかし結果は落選。
だが、上杉が書き上げ落選した原稿は別のゲーム会社
-
「株式会社イプシロン・プロジェクト」が
手掛けるヴァーチャル ゲーム
「クライン2」のゲームストーリーとして起用された。
原作者である上杉は試作段階のクライン2をプレイし
ヴァーチャルゲームとは思えない程のリアリティーある
-
マシン「クライン2」に
興奮したのであった。
そして、彼は完成したクライン2の
テストプレイヤーの一人として起用される事となる。
同じくテストプレイヤーとして雇われた
-
高石利紗・・・
しかし、彼女は突然テストプレイヤーを辞めるといい
姿を消してしまうのだった。
姿を消した利紗の行方を探すために
彼女の友人・真壁七美は上杉と接触し
利紗について聞きだす・・・
利紗の行方を追う上杉・七美は徐々に
-
イプシロン・プロジェクト
とクライン2に疑問を持ち始める。
仮想現実を楽しむ、ただのゲームだと思い込んでいた
クライン2。
-
クライン2のシステムを利用すれば・・・
その事実を知った時、主人公・上杉は
気づけば自分がいる場所が現実世界なのか
クライン2が見せるヴァーチャルの世界いるのか
わからなくなり始めていた。
どちらの世界に自分がいるのかを知る為、自分の
記憶を辿り始めるが・・・・
クラインの壺~感想
新時代のゲーム機だと思い込みテストプレイヤーとして
起用された主人公。
そんな主人公が知らず知らずの間に
別世界に迷い込む・・・
読んでる自分も最後分からなくなる、
そんな物語でした。
物語の最後の解釈は読み手に全て丸投げといった感じ
でしたが・・
-
「あなたは彼(上杉)がどっちの世界にいると思いますか?」
みたいな。
現実世界にいるのに実はここは仮想世界かもしれない、
そんな見せ方が上手い。
失踪したテストプレイヤー、主人公の思い込みや
クライン2に関わる開発者達の思惑はとんでもない実験かも・・・
でも実はクライン2はただのゲーム機かもしれない・・・
なんていう良くわからない駆け引きがあり読む側としては
十分楽しめる小説でした。
はたして上杉君はどちらの世界にいるのか?
若干ホラーのラストは恐怖を感じるので主人公が狂っていくのが
好きな方にはおすすめの小説です。