小説不夜城シリーズ第二部
にあたる物語
「鎮魂歌」
前回よりも描写はさらに過激になって、
畳みかける勢いがあり
面白かったです。
前回の「不夜城」続編にあたりますので
前回、主人公・劉健一はどう関わってくるのかが
見もので前回の「不夜城」で事件で心に大きな
傷を負った劉健一の変わりようは必見。
ボスの女に恋した殺し屋・敦秋生が熱い!
本と作家の情報etc・・
作家 馳 星周
1965年2月18日 生まれ
本名坂東 齢人(ばんどう としひと)。
ペンネームの馳星周は本人がファンである
スター周星馳の名前を逆にしたものである。
北海道苫小牧東高等学校、
横浜市立大学文理学部卒業。
大学時代は内藤陳が経営する新宿ゴールデン街の
バー深夜プラス1で
バーテンのアルバイトをする。
作品は
ノワール小説(暗黒小説)であり、
謀略戦、
騙し合いがストーリーの軸となっている。
外国人マフィアややくざ、
不良少年といった暗黒社会の住人が登場人物のメインだが、
閉塞感に満ちた日々を送る
普通の人々を題材とした作品や、
テロリズムや戦争を題材とした作品も見られる。
サッカーが好きで、好きな国はスペイン。
写真撮影も趣味で、
ペンネームでウェブ上に投稿もしている。
パンク・ロックのファンで、
BLANKEY JET CITYを高く評価する。
タイトル・鎮魂歌(レクイエム)
鎮魂歌 | |||
---|---|---|---|
総合評価 |
|
レビュー件数 | 27件 |
鎮魂歌(レクイエム)~あらすじ
前回の銃撃事件で歌舞伎町の
中国マフィアの勢力図は大きく変わった。
歌舞伎町のボスの座に居座っていた
元成貴(ユエン チョン クイ)を殺し
その後釜に乗り出した北京の崖虎(ツイ フー)に
上海の朱宏(ヂュー ホン)。
前回の抗争で大金を手にした
台湾の楊偉民(ヤン イ ミン)
そのを金使い今までの地位をより確実なもの
としていた。
あの抗争から2年
中国裏社会の新しい勢力図も安定しつつ
あった矢先、崖虎(ツイフー)の組織の幹部と
手下2人が殺された。
殺したのは楊偉民が呼んだ
-
殺し屋・敦秋生(グオ チウ ショウ)
だったが、崖虎は自分の縄張りを奪おうとする
上海の朱宏(ヂュー ホン)連中だとにらみ
飼い犬の元悪徳刑事・(人間のクズ)滝沢を使い
証拠と殺したヤツを探せと命じる!
犯人捜しを調べるうちに2年前の事件とつながりを
見せ始めつつある今回の事件。
滝沢が気になり始める崖虎と劉健一の関係・・
そして、
敦秋生は何故か惹かれる様に劉健一と出会う事となり
裏でうごめく楊偉民の思惑・・・
劉健一の未だ消える事のない楊偉民への
復讐心・・・
また歌舞伎町が静かに揺り動き始める・・・
鎮魂歌(レクイエム)~感想
前回の不夜城からの続編という事もあり
登場人物がかなり多いです。
しかし、主要となるのは
敦・滝沢・楊の3人となるでしょうね。
基本組織の幹部とか
バタバタ殺されていくので・・・
殺し屋・敦秋生(グオ チウ ショウ)を軸に
物語が展開していくようにみせて
前回の主人公・劉健一が実は
かなり裏で糸を引ているストーリーでした。
人間のくず滝沢と
無垢な殺し屋・敦の友情
そして、前回同様一人の
女を巡っての敦(グオ)と朱宏(ヂュー ホン)
の情婦との禁断の恋愛逃走劇!!
登場はわずかに姿を見せるだけの健一が巧みに
滝沢、敦(グオ)の2人を操る感覚を
感じながら面白く読めるストーリー展開。
滝沢・敦(グオ)コンビのたたみかける展開が
疾走感があり、熱い2人の男の友情が
この殺伐としたストーリーの中で一段と
輝いていました。
滝沢・敦(グオ)の2人を物語の軸に
のせる事で健一の存在を消し去るストーリー
展開をみせ、最後の最後で劉健一が今回の
1連の事件のネタばらしに彼が大きく
関わっている事に凄みを効かせていて
全てのつじつまが合うと同時に復讐の為に
落ちるとこまで落ちた健一のダークさが伝わり
前作の彼のイメージを完全に消し
去られました。
ストーリーの最後に人から化け物に変わった彼を
見せた終わり方は
ゾクリともニヤリともする感じで
個人的には最高でしたね。
最後の方で敦 秋生(グオ チウ ショウ)の
為に何かと熱い男をみせた滝沢にグッと
きてましたが・・・・
よくよく振り返ると人間のクズ以外の
何者でもないこの男によく感情移入
したなと・・・
なんて思いながら自己嫌悪におちいり
ましたがしかし、それだけ熱い敦(グオ)
との友情展開だったと思います。
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