映画化にもなり話題となった「悪の教典」
映画のCMが強烈だったので一度読んでみたいと
思っていた本でした。
当時読もう、読もうと思っていたのですが
他にも読みたい本ややるべきことがあったので
いまさらになってしまいました。
本を読んだら映画もと思っていましたが
まだ映画は見てません(笑)
全てが完璧な教師の数々の完全犯罪が楽しめる。
犯行手口、綿密な計画、人の心理を読み解く洞察力。
上巻で蓮実聖司の虜になる!
本と作家の情報etc・・
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作家・貴志 祐介(きし ゆうすけ)
大阪府出身 1959年生まれ
幼いころから読書に親しみ、中学生時代からミステリやSFを読み始める。
1日で7冊読んだこともあったという。
大学4年生のころに投稿をはじめた。
大学卒業後、朝日生命保険に入社した当初は小説を
書くのを断念していたが、数年後に意欲が芽生えて
執筆を再開している。
鈴木光司『リング』を読み、
「ホラーというのは、ミステリの文脈でまったく
新しいものが書ける」と気づいたという。
1986年に第12回ハヤカワ・SFコンテストに
「岸祐介」名義で応募した。
後の『新世界より』の原点となる短編
「凍った嘴」が佳作入選する。
人間の欲望や狂気が呼び起こす恐怖を描いた
ホラー作品を発表する一方、『青の炎』では青春ミステリーを、
『硝子のハンマー』にはじまる
防犯探偵・榎本シリーズでは本格ミステリー。
『新世界より』ではSFを発表し、幅広いジャンルを手掛けている。
『引用:Wikipedia』
監督は三池崇史。
本作と『その夜の侍』『のぼうの城』の3作品での
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演技により、山田孝之は
第34回ヨコハマ映画祭助演男優賞を受賞している。
悪の教典・上巻 | |||
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総合評価 |
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レビュー件数 | 233件 |
悪の教典・上巻~あらすじ
晨光(しんこう)学院町田高校の英語教師、蓮実聖司。
軽やかな話術で盛り上げる英語の授業は楽しく
いつも生徒側に立ち彼らの味方、
理解者になってくれる良き先生であった。
学内で起きる保護者によるトラブルもまた
率先して彼が納めてきた為
同僚たちからは頼りにされ教頭は何かと
いうと蓮実聖司を頼りトラブル解決を求めた。
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全てにおいて完璧。
しかし、そんな彼にも
他人には言えない秘密があった
他人と感情を共有する共感能力の欠如 。
人の気持ちが全くわからない人間だったのだ。
その為これまで自分の人生にとって
邪魔となる有益でない人間はことごとく
平気で 殺害し始末してきたのだった。
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蓮実聖司32歳。
頭の回転の速さに加え、巧みな
話術に独学の心理学を駆使し32年間誰にも
疑われる事なく彼は多くの殺人を
犯してきた・・・・
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そんな彼が何故教師に・・・・
そして、
この晨光(しんこう)学院町田高校には
もう一人、蓮実聖司と同じような人間が
存在した・・・・
釣井正信。
数学の教師で蓮実とは正反対で
無口で生徒からも教師からも嫌われ者の
教師だった。
釣井の考えは蓮実にも読めず
不気味な存在でもあった・・・・
そして、蓮実は学校行事の
京都修学旅行先で、前任であった
高校の教師と偶然再会。
蓮実の微妙な作り笑顔とよそよそしい態度・・・
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それを凝視する釣井は口角をあげた・・・・
悪の教典・上巻~感想
主人公・蓮実聖司。
生徒や教師からも信頼熱く今時珍しい良い教師。
最初の10ページほど読めばそんな
印象を受ける始まりだが・・・
第1章の冒頭で違和感ただよう始まりと
第1章の最後のページで見せた蓮実聖司の
異質な裏の顔がちらりと見える。
さらには蓮実聖司は冒頭で見せたその
行動に対して何もおかしなことはして
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ない至極当たり前という
ひょうひょうとした描き方が
普通の人には蓮実聖司に対して少し
違和感を持たせる。
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これが後々じわじわと効いてくるのが読んでいて楽しい所にもなります。
また、人を殺すサイコパスではあるが
その恐怖は伝ってこず
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軽いノリで殺っちゃいました的な演出がちょっと面白いです。
人は殺すがいたって明るい。
そんな主人公が異質に感じるが
何故か憎めなく逆に面白く惹かれてしいます。
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彼の巧みな話術と綿密な作戦。
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完璧なアリバイ作り。
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加害者への犯行動機づけは素直に
面白く感心してしまいまた。
堂島 智津子を「あらよっと」的な感じで
車で撥ねたところはちょっと笑ってしまった。
そんなノリで殺すんだっ・・・みたいな。
上巻では蓮実聖司の
晨光(しんこう)学院町田高校での
立場や人間性、彼の過去 についてが
中心で描かれていますが・・・
はたして彼の尻尾をつかむのは誰か
なのかが気になる所です。
はたまたこのまま逃げ切るのか?
そんな所が 気になる下巻です。
個人的な疑問として、最後に釣井先生、
あんたなんで、あそこで、出てきちゃったの・・・・