今回紹介する小説は全員手品師。
手品師が殺され手品師が事件を解く
そんな話でした。
風変わりなミステリー小説に感じたかな。
手品とミステリーを楽しめるストーリーで
ちょい読みにもちょうどいい1冊だよ。
本と作家の情報etc・・
作家・泡坂 妻夫 (あわさか つまお)
1933年5月9日生まれ
2009年2月3日死去。
東京・神田で「松葉屋」の屋号を持つ
紋章上絵師(和服に家紋を描き入れる専門の絵師)の
家に生まれる。
定時制で高校に通いながら約5年の会社勤めを
経て、家業を継いで上絵師として働く。
家業の傍ら幻影城新人賞に応募した
短篇『DL2号機事件』が佳作入選して
1976年に43歳で作家デビューした。
逆説を多用する作風から
「日本のチェスタトン」と呼ばれた。
泉鏡花文学賞を受賞した『折鶴』、
直木賞を受賞した『蔭桔梗』などは、
職人の世界を舞台にした「人情もの」小説。
奇術愛好家兼奇術師としても有名であり、
1968年に第2回石田天海賞を受賞している。
2009年2月3日、急性大動脈解離のため
東京都内の病院で75歳で他界した。
『引用:Wikipedia』
代表作でもある「乱れからくり」は
主演・松田優作で映画化もされました。
11枚のとらんぷ | |||
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総合評価 |
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レビュー件数 | 13件 |
11枚のとらんぷ~あらすじ
真敷市立公民館で開かれた奇術ショウ。
最後の演目、入れ替わりのマジックで
袋の中から飛び出るはずの女性が
出てこない。
マジックは失敗に終わりショウは終了した・・
袋の中にいるはずの彼女は姿を消し
探しても公民館内のどこにもいない・・
関係者全員がオロオロとしている中
刑事が現れ彼女は殺されたと
告げられる。
彼女は後頭部を強打され
自宅の自室でストーブにおおいかぶさる様に
死んでいた。
そして奇妙な事に彼女は死ぬ間際、
ストーブのガス栓を緩めるという
奇妙な行為をしている。
さらに、不可解なことは
彼女の周りには11の品が壊され
置かれていた。
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11個の品・・・
その11個の品に「はっ」とした
一人の男性彼女と同じ今回の奇術ショウに
係わった奇術クラブの人間
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「鹿川」
その11個の品は鹿川が書いた小説
「11枚のとらんぷ」に登場する
品だった。
果たしてその11の品は何を意味するのか!?
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彼女に一体なにが起きたのか!
入れ替わりのマジックで
袋の中から飛び出るはずの彼女は何故自宅に?
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小説11枚のトランプの内容とは?
奇術師・鹿川がこの謎に気づいた時、
まさかの犯人説が浮かび上がる。
11枚のとらんぷ~感想
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手品の話8割。
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ミステリー2割。
読み終わってこんな印象を受けました。
読んでる最中もこれは手品の小説なのかと
思う程、殺人事件どこいったと
いった感じでミステリーがおてけぼり。
サクサク進むのは手品のお話ばかり。
殺人事件の事も忘れて手品の話に
没頭してしまいましたね。
それほど手品の話は面白く良くできていました。
物語は出来事が分かりやすいよう
3段構成になってます。
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公民館でのショウでの事件勃発
↓
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鹿川が書いた小説「11枚のトランプ」
の話。
↓
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そこから鹿川が推理して解決。
とこんな感じでした。
11枚のトランプの短編11話が
中々面白く11話とも手品のお話で
ちゃんとした手品のネタばらしもあり
楽しめる短編だと思います。
肝心の事件は鹿川の推理により犯人を
見つけ出しますがまさかのどんでん返し!
そして、ショウの最中のちょっとしたトラブルと
11枚のとらんぷに伏線を含ませた展開は
見事でした。
作中の手品のトリックが面白く
夢中になってしまい犯人なんて
どーでもよくなってました・・・
最後の犯人は君だぁーの場面で
-
なるほど!!
と、あった、あったそんな場面と
そっから犯人に辿り着いたのかと
一人納得。
ちょっと変わった面白ミステリー小説でした。