S&Mシリーズ第3弾 「笑わない数学者」。
結構前に読んだ本ですが今読んでも
楽しめる1冊なので感想、
あらすじをまとめて記事にしました。
S&Mシリーズは何が面白いか。
1つは人間関係図。
魅力的な登場人物が多いのもこの
シリーズの見所です。
シリーズを追うごとに前回の事件の関係者が
絡んでくる所も面白いです。
意外なところで意外な人物が絡んで
いたりつながっていたりとある意味、
伏線回収になっていたりもします。
ここであの回の伏線回収するんだみたいな
感じで回を追うごとに色々と楽しめます。
2つ目は犀川、西之園萌絵のコンビ。
女子大生と助教授のコンビで生徒、先生、
友達以上恋人未満?的な2人の関係は
どうなるかなと・・・・
噛めば噛むほど味があるシリーズです。
密室、消える銅像、引きこもりの
不気味な数学学者。
自由の定義を求めた
儚いラストは犀川先生の
解釈がグッと沁みるよ。
本と作家の情報etc・・
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作家 森 博嗣(もりひろし)
1957年 生まれ
元 名古屋大学助教授
1995年の夏休みに
処女作『冷たい密室と博士たち』を
約1週間で執筆しデビュー後から非常に
ハイペースデビュー3年目以降は年に
10作品以上が刊行される状態。デビューから10年ほど過ぎた頃から、
趣味に使う時間を増やすため
刊行ペースを落とした。
『引用:Wikipedia』
デビュー作 「すべてがFになる」
代表作 スカイ・クロラ
スカイクロラは映画にもなりました。
サントラが結構気に入ってます。
綾香さんが主題歌を歌いましたね。
笑わない数学者 | |||
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総合評価 |
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レビュー件数 | 52件 |
「笑わない数学者」~あらすじ
12月25日 クリスマス。
犀川創平は那古野市商店街通りに
あるナナちゃん人形の前で
西之園萌絵と待ち合わせしていた。
同級生、片山和樹の祖父天王寺家で
行われるクリスマスパーティーに
萌絵が誘われその付き添いで
犀川も出席することとなったのだ。
当初はパーティーに出向く気は
なかったが片山和樹の祖父が
有名な数学者、天王寺翔蔵博士と知り
犀川もそのパーティーに出席にする
ことにした。
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その、道中・・・・
萌絵は犀川の気を引くため
片山和樹から聞いた銅像消失について
話し出す。
それは、12年前クリスマスパーティーで
天王寺 翔蔵が出した謎解きだった。
天王寺翔蔵は解けた者に天王寺家の
跡取りとなる資格を与える
と言い出した。
その謎とは天王寺家の庭にある
高さ約6メートル、重さ20トンの
ブロンズでできたオリオン像を
天王寺翔蔵は瞬く間に消したのだった。
そして、気づけばオリオン像は
元の位置に戻っていた・・・・
いや、現れていたのだった・・・
目撃者は親戚10数名多数の
目撃証言もあり萌絵は犀川に
そのトリックについての意見を求めた。
犀川はただの勘違いじゃないのかなと
笑いながら
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「どーでもいいよ」
そんな話と言わんばかりに流し
個人的ファンである天王寺翔蔵に
会える事に一人浮かれていた。
そして、天王寺家のパーティーで
天王寺翔蔵はまたも12年前と同じく
高さ約6メートル、
重さ20トンのブロンズでできた
オリオン像を消したのだった。
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犀川、萌絵
天王寺家親戚一同はただ、
ただ唖然・・・・
天王寺 翔蔵は語る1つだけ真実を
教えよう。
正面ゲートにオリオン像はない。
お前たちは真実を観察したんだ。
-
なのに・・・
なぜ不思議な顔をするお前たちを
悩ませているものの正体は何だ。
それを、自問せよ。
オリオン像が再び現れた事に気づいた
時その像の下に1つの遺体が
横たわっていた・・・
「笑わない数学者」~感想
今回は クリスマスに起きた事件。
頭の体操にも丁度いい数学問題
犀川創平、西之園萌絵の男女のやり取りと
面白い場面もあり楽しめます。
S&Mシリーズの中では
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「すべてがFになる」の
次に面白い物語でした。
オリオン像消失のトリックも
何となく分かる程度で
数学者天王寺翔蔵
VS
犀川創平との頭脳戦での対立関係は中々
面白く楽しめました。
相変わらずの密室殺人ですが
天王寺家の人々と天王寺翔蔵との
因果関係
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誰が殺し
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殺され
読みながら自分なりの推理を楽しめて
引き込まれるストーリー展開も魅力的でした。
自宅の地下室で
誰とも会わずこもる老人
天王寺 翔蔵・・・
すべてがFになるで登場した
真賀田四季を感じさせる知的さと
不気味さがありいい味を
出しています。
この老人のおかげで最後まで
楽しめた物語でした。