タイトルから見て不思議な雰囲気を持つ本です。
ミステリーでありながらSF
そして、少し笑える物語でした。
本と作家の情報etc・・
作家 ・ 西澤 保彦
1960年12月生まれ
大学卒業後帰国し、
高知大学経済学部教務助手や土佐女子高等学校講師などを勤めるかたわら
小説を執筆。
江戸川乱歩賞や小説現代新人賞などに投稿を続ける。
1992年、仕事を辞めて執筆活動に専念する。
『解体諸因』の第一稿を島田荘司に送ったところ、
それが講談社の編集者宇山日出臣に渡り、1995年に小説家デビュー。
その後も、複数人で中に入ると玉突き式に人格が入れ替わってしまうという
謎の装置の中で起こる連続殺人事件を描いた『人格転移の殺人』、
一定量のアルコールを摂取することで
瞬間移動を行うことができる主人公の登場する『瞬間移動死体』、
触れた生き物のコピーを作ってしまうという
謎の壁が登場する『複製症候群』など、
SF的設定を導入した世界で論理的に謎を解く
<SF新本格ミステリー>と呼ばれる作品を発表。『引用:Wikipedia』
小説「七回死んだ男」は3作目にあたり、
1996年の第49回日本推理作家協会賞『長編』部門 候補に残る。
小説「七回死んだ男」は
映画「恋はデジャヴ」(日本で1993年公開)にインスパイアされた作品です。
(インスパイアとは・・・何かを元にしたけど、マネをしたんじゃなくて
自分のアイディアを入れたオリジナルである・・・という言い訳的言葉)
七回死んだ男 | |||
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総合評価 |
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レビュー件数 | 89件 |
「七回死んだ男」~あらすじ
自分の意思とは関係なく時間のループにとらわれて
同じ日を繰り返してしまう少年・久太郎。
新年迎えた1月1日、
親族一同とその他が久太郎の祖父の家に集まり宴会
あくる次の日、1月2日祖父が何者かに殺され部屋で発見される。
その殺された日に主人公の能力が発動してしまい
そして、また1月1日が始まる・・・
状況から見て内部犯行と予測した主人公
犯人は親族の誰か・・・
祖父が殺されると知っている主人公は祖父を救うために奮闘するのだった。
七回死んだ男~感想
ラノベ「Re:ゼロから始める異世界生活」のように失敗しても
過去に戻ってやり直せるといった内容です。
「Re:ゼロから始める異世界生活」と少し違って
「七回死んだ男」の主人公は死なない
過去に戻れる回数も決まっていて戻れる日も決まっている。
条件付きの中でいかにして主人公が祖父を救うのかが見どころで
ミステリーとSFを交えた物語は面白い設定でした。
同じ日を繰り返すという能力をもった主人公
すでに分かっている事を防ごうとするわけですが
どうにも上手くいかない。
犯人が親族の誰かと予測をたてるのですが
あちらを立てればこちらが立たずという具合に気付いたら爺さんが
誰かに殺されている始末。
そんな主人公を欺く犯人とその動機がかなりきになりました。
主人公の視点側から話が進むので読みながら読み手も推理でき
楽しめる物語です。
消去法で犯人らしき人物はこいつは違う、こいつも違ったと
次々と怪しい奴は消えていき
犯人を予測しながら読めてしまいますが最後はまさかのどんでん返しで
程よい刺激があり楽しく読めました。
ページ数少ないので軽い読み物としては最適な小説です。